「ルワンダ・ジェノサイド 生存者の証言」 を読む

アフリカの小国、ルワンダの悲劇は映画にもなったし、いくつかの本も出されたので読んできた。今回、朝日新聞の日曜版に紹介された標記の本を読みたくなったので浦安市の図書館にリクエストした。4,320円という高価な本だったので心配したが購入してくれて1番目の読者になった。従来の本は、ヨーロッパのジャーナリストが生存者にインタビューして話を纏めるという本が多かった。この本は著者が少数民族のツチ族で幼いころから10年周期で起こった虐殺の嵐を生き残り、難民生活を送り、革命政権が出来てから新政権に加わり国のN0.3たる国会議長を経験した者の体験記である。彼は、ヨーロッパ風の民主主義を体験して帰国して政権に加わったが、RPFという軍事勢力を中心の新政権は、時間を経るに従って専制独裁政権になっていき、新政権になってから、議員や大臣がいろいろの偽情報で辞任させられ、亡命した者や暗殺された者が100名以上もいるという異常国家である。私は、新聞情報でしか知らないが、革命を指導したカガメ将軍(現大統領、20年ほど実権をもっている。)は、復興を指導し、民族和解を行っている英雄だと思っていたが、この本を読んでスターリンや毛沢東のような道を歩んでいることが判った。国会議長を暗殺しようとした男である。彼、この著者は、国を追われて現在、アメリカに亡命して、民族和解の道を探っている。

下記は朝日新聞の書評である。

http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2015060700007.html